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病気のはなし

糖尿病と虚血性心疾患

心筋梗塞狭心症などの虚血性心疾患や脳卒中などの血管障害の原因となる動脈硬化を起こす要因を危険因子(リスクファクター)と呼びますが、危険因子には、糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満、喫煙、ストレス、性差(男性)、加齢などがあげられます。このうち、糖尿病、高血圧、高脂血症はインスリンの効きづらい状態、すなわちインスリン抵抗性を介して、相互に絡み合い動脈硬化を加速進行させます。これを古くは“死の四重奏”、最近は“メタボリック・シンドローム”と呼ぶようになりました。糖尿病と虚血性心疾患の合併症頻度は6.7/1,000人年で、非糖尿病の約3倍にものぼると報告されています。

しかしいずれも自覚症状がない(口渇、多飲、多尿、倦怠感)まま進行する病気で、治療をせず放置してしまうことも多く、気付かないうちに突然、生命を脅かすような状態を招きかねないため、サイレントキラー(静なる殺人者)と呼ばれることもあります。

厚生労働省は指針として“予防医学の充実”を揚げています。糖尿病の初期とも言える境界型糖尿病の時期に、すなわちまだ症状のない時期にでもすでに動脈硬化が始まっていると言われ、合併症を予防するには、早期発見、早期治療が重要です。

当院では血糖、コレステロール値のみならず、頸動脈エコー、コルトコフ音記録計のデータを総合的に判断、ご説明し、患者様にもっとも適切な治療法を選択して参ります。